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タンカー座礁から、スエズ運河と天体事象が見えてくる!
■2021年3月23日に、エジプトにあるスエズ運河で、大型タンカーの座礁事故が起きました。このことから、次のことが見えてきますね。
1)大型タンカーが航行をせき止めてしまうような狭い運河であること
2)大潮の特徴を利用して、離礁(タンカーを正常位置に戻す)させたこと
座礁事故の概要
■2021年3月23日に、「エヴァーギブン」という日本の一企業が所有する大型タンカー(全長400m、6mのコンテナを20000個積んでいた)がスエズ運河で座礁して動けなくなりました。航空写真では、斜めになって運河を航行不能にしていました。
この事故で、この運河を通る多くのタンカーをせき止めてしまい、多額の賠償金が発生した模様です。地図で確認してみましょう。
⇦この辺り(赤丸の箇所)で座礁しました。紅海が入ってすぐのところですね。青色が海や運河、黄色は砂漠、緑色はオアシスや住宅街を意味しています。
グーグル・マップで表します。
■では、このスエズ運河とは一体どんな運河なのでしょうか。こうやって調べていくと、スエズ運河というのが見えてくるわけですね。
スエズ運河は、どんな運河?
■結論から言うと、こんな運河です。
いつ | 1869年開通 |
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どこで | 地中海と紅海を結ぶ=エジプトに存在 |
だれが | フランス人が建設 |
何を | 主に貨物輸送・年間10億トン(コンテナ49%、石油関連23%、穀物5%)・昨年は19000隻が航行 |
なぜ | アジアとヨーロッパを結ぶのに、南アフリカ共和国の喜望峰を通ると時間も燃料も無駄になる! |
どのような | 全長193km、水深24m、最大幅313m(水面で)、225m(水深11m部分で)→狭いので、船団を組み、湖などですれ違うようにしている |
■小中学校の地図帳で場所を確かめるといいですね。次の如く。
インド航路で進んできたタンカーは、ヨーロッパへ行くのに、南アフリカ共和国最南端の喜望峰を通ると、かなりの時間と燃料を要するわけですね。
そこで、アラビア半島西側のアデン湾から紅海へと進み、その奥に面するスエズ運河へと進むと早くヨーロッパへと到達することが可能となりますね。
この事故により、かなりのタンカーがせき止められ、多額の賠償金が発生するようです。
大潮を利用してタンカーを正常な位置へ戻す!
潮位がより低くなった干潮時に座礁した部分の砂を取り除き、よく潮位が高くなった満潮時にたくさんのタグボートでタンカーを引いて、正常な位置に戻した!
座礁した当日はその後、数日間で、幸運にも満月の大潮の時と重なりました。大潮とは、通常の満潮より潮位が高く、干潮よりも潮位がより低くなるのです。それは、天体がこうなるからです。
○月 ⇦ ◎地球 ⇨ ●太陽 このように一直線に並ぶと、地球から見て月は満月となり、地球は両方から引力が働くおかげで、潮位が大きくなるわけです。
タンカー座礁という事故から、スエズ運河のことと、天体事象がわかる!!
新聞のちょっとした記事から、社会科と理科の学習ができる証拠を示しました。このように、目についた、興味のある記事をしっかりと読み、奥に広がる世界を見抜いていきましょう。
1つの記事に隠れた多くの学習内容を理解していくようにしたいものです!!