理科

季節を俳句で表現してみましょう!!

熊本新港から眺めた雲仙普賢岳

季語で季節の学習ができる!!

■俳句は、いわずもがな、「五・七・五」で構成される詩です。
しかも、この句には、季語と言われる、その「季節」に関わる言葉をいれなければなりません。

逆に言うと、俳句から季節の特色を読むことが可能となるわけです。

そして、もう1つ!!

一方で、その応用として、季節の特色を学んだら、新聞の写真や実際の光景から、俳句を作ってみるのですね。

インプットしたら、アウトプットが重要です。ぜひ、挑戦してみましょう。

春の代表的俳句

■それでは、まずは春から代表的な俳句の事例を考えてみましょう。

次の歌がありますね。それぞれ、季語(季節を表す言葉)は何でしょうか。

なお、( )内は作者です。⇒は季語です。

春雷やどこかの遠ちになく雲雀(原石鼎)⇒⇒⇒・春雷・雲雀(暖かくなった春となって、渡り鳥であるツバメがやってきたことを押さえる)

梅一輪一輪ほどのあたたかさ(服部嵐雪)⇒⇒⇒梅(「一輪一輪ほど」のという箇所で、三寒四温という言葉を押さえる)

うぐいすのかさおとしたる椿かな(松尾芭蕉)⇒⇒⇒ウグイス・ツバキ(暖かくなって郷に咲いたツバキの蜜をウグイスがすっていることをあ押さえる)

古池や蛙飛びこむ水の音(松尾芭蕉)⇒⇒⇒カエルが飛び込むということは、すでにオタマジャクシから成長していることが伺える。

春風に吹き出し笑う花もがな(松尾芭蕉)⇒⇒⇒春風(花が笑うとは、花が咲いたということ)

春の夜は桜に明けてしまひけり(松尾芭蕉)⇒⇒⇒春・桜(花見を意味している)

夏の代表的俳句

■次に、夏を見てみよう。

荒海や佐渡に横とう天の川(松尾芭蕉)⇒⇒⇒天の川(旧暦の7月ということで秋になるのですが、ここでは七夕の代名詞として、天の川である)

閑さや岩にしみ入る蝉の声(松尾芭蕉)⇒⇒⇒セミ(6年間地中で過ごした後、夏の約1ヶ月を地上で過ごす)

夏草や兵どもが夢の跡(松尾芭蕉)⇒⇒⇒夏草(夏の高温で草が生い茂っている様子を押さえる)

水底の草にこがるる蛍かな(与謝蕪村)⇒⇒⇒ホタル(水中で過ごした幼虫が初夏に陸へと上がり、さなぎから成虫となり、草にはう)

朝顔につるべとられてもらい水(加賀千代女)⇒⇒⇒朝顔(アサガオのツタが高温で成長して釣瓶を覆い尽くしている様子)

五月雨をあつめて早し最上川(松尾芭蕉)⇒⇒⇒五月雨(五月雨は現在の暦では梅雨時を指している)

秋の代表的俳句

■では、次に秋を見てみよう。

名月や池をめぐりて夜もすがら(松尾芭蕉)⇒⇒⇒名月(中秋の名月である)

柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺(正岡子規)⇒⇒⇒柿(花が咲き、秋となって柿の実をつけたということ)

白露もごぼさぬ萩のうねりかな(松尾芭蕉)⇒⇒⇒白露・萩(気温が下がってきて、萩の葉に露がうっているということ)

名月をとってくれろと泣く子かな(小林一茶)⇒⇒⇒(中秋の名月である)

白露や茨の刺に一つずつ(与謝蕪村)⇒⇒⇒白露(気温低下で露が発生し、その雫が茨の1本1本に滴っているということ)

冬の代表的俳句

■最後に、冬を見てみよう。

初雪や水仙の葉のたわむまで(松尾芭蕉)⇒⇒⇒初雪・水仙(冬の花の水仙の葉に初雪がふり、葉がしおれているということ)

南天よ炬燵やぐらや淋しさよ(小林一茶)⇒⇒⇒南天・炬燵(冬の到来である)

南天に雪吹き付けて雀鳴く(正岡子規)⇒⇒⇒南天・雪(上に同じ)

草枯れて狐の飛脚通りけり(与謝蕪村)⇒⇒⇒草枯れ(気温が低下し、夏とは違って草が枯れていく様を歌っている)

さらさらと竹に音あり夜の雪(正岡子規)⇒⇒⇒雪(雪が降り、竹の葉に積もった雪が落ちて音をたてている様子を歌っている)

寒月や門なき寺の天高し(与謝蕪村)⇒⇒⇒寒月(天高しとは、空が澄んでいて=水蒸気が少なく乾燥している、高く感じられるということ)

■こうして、季節感のある俳句から、季節特有の生物や自然現象を見ていければ最高ですよね。

 

季語で季節の学習ができる!!

■では、最後に、自分なりの俳句を季節ごとに歌ってみましょう。

季節 季語を入れて、俳句を季節毎に1句作ってみましょう。

いいのができましたか。まずはやってみること、とても重要ですよね。