子どもへの365話

九州はカルデラの巣?

九州には、カルデラが15以上もある!!

1)世界最大は何と言っても「阿蘇カルデラ」

■今から10万年前に、阿蘇は大噴火を起こし、火山灰は遠く北海道まで到達していて、年代測定の基準となっています。

 火山灰がそこまで飛ぶ位ですから、溶岩流は九州全域を飲み込み、その結果論として、豊後大野(大分)の原尻の滝、伊佐(鹿児島)の曽木の滝などを形成しています。

■何と言っても、南北25km、東西18km、周囲125kmに及ぶ巨大カルデラです。

 阿蘇の場合は、山体が吹っ飛んで、地盤沈下し、巨大湖となりました。

 一番もろかった立野で岩盤が崩れ落ち、湖水は川となって、白川へと流れ込み、沼地となった阿蘇谷には人々が住み始め、農耕が始まったというわけです。

 神話では、健磐龍命が壁を蹴破ったとなっています。尊は、蹴破った際に、「もう立てぬ」と言ったのだとか。それで、「立野」という地名になったのだそうですよ。

■さて、長年、カルデラはこれが1つかと思いきや、九州には15以上ものカルデラが存在していることを知りました。そのいくつかをここで紹介したいと思います。

2)千々石カルデラ

■これは長崎は島原半島の北側、小浜の北側に位置するカルデラです。

 ここは巨大噴火が起こって、地盤が落ち込み、そこへ海水が侵入して、橘湾となりました。

 千々石展望台周辺は、断崖絶壁となっていて、これが断層となって露出しています。

 

3)加久藤カルデラ

■ここは、人吉からえびのへと抜ける加久藤トンネル(加久藤峠)を過ぎると、向こうに霧島連山が見えてきます。

 この下方に、街並みが見えてきます。これがえびの高原となって、カルデラ底部となっています。



4)姶良カルデラ

■桜島の位置する北側の錦江湾が姶良カルデラとなっています。

ここは、地盤沈下のあと、海水が流入して錦江湾となっているわけです。

■ここは3万年前に大噴火を起こし、火山灰が60mも積もって、シラス台地を形成しました。

5)まとめ

■日本列島全体に、多くのカルデラが実存しています。見えないだけで、よく見ると、円弧を描いていることが多いわけです。

それは海底に埋もれたりして、一見見落としがちですね。

それはともかく、日本列島が火山列島であることを物語っているわけです。地震大国なわけでもある理由がわかりますよね。